「メンタルヘルス」という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、それがどのように定義されているかをきちんと理解している人はどれだけいるでしょうか。メンタルヘルス不調というのは、「精神及び行動の障害に分類される精神障害や自殺のみならず、ストレスや強い悩み、不安など、労働者の心身の健康、社会生活及び生活の質に影響を与える可能性のある精神的及び行動上の問題を幅広く含むもの」を指すそうです。最近ではうつ病と診断される人が増えてきていますが、このうつ病もメンタルヘルス不調の一つとされています。ただし、うつ病は代表的な不調の一つというだけであって、統合失調症やパーソナリティ障害、適応障害など、様々な症状もメンタルヘルス対策を行うべき不調に含まれるのです。
「メンタルヘルス」とは、医学的には「精神保健」、簡単に表すと文字通り「心の健康」ということになるでしょう。
引用:日本成人病予防協会
「日本成人病予防協会」は、健康情報からメンタルヘルスまでの情報を提供している非営利活動法人です。
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メンタルヘルス不調を抱えている人はかなり多くなっており、一日当たりの平均外来患者数は5万人以上だと言われています。メンタルヘルス対策が必要なこれらの患者のうち、精神障害者手帳を持っている人は300万人を超え、更には代表的な不調であるうつ病を患っている患者は6人に1人だということです。企業における年齢区分を見てみると、最も多く約60%を占めているのが30代であり、22%の40代と合わせると全体の8割を占めています。6人に1人と高い割合となっているうつ病に関しては、「仮想うつ」というものが10~30代に多く、「新型うつ」については20~30代、「従来型うつ」は40代に多く見られます。「うつ病」と聞くと一つの病気のようにも感じますが、最近では患者の症状の特徴ごとにこのようないくつかの種類に分けられているのです。「仮想うつ」は、社会人基礎力とストレス耐性が低いために、人とのコミュニケーションなどでストレスを受けてしまうなどして、うつ病のような症状になってしまった人を指します。病気や障害ではありませんが、うつ病との見分けがつきにくくなっています。「新型うつ」は、パーソナリティ障害や発達障害、適応障害などの症状の特徴がうつ病の症状の一部と似ているなどというものです。もしうつ病になってしまったとしても、それで仕事ができないということにはなりません。その人の症状に合わせてケアをしていくことや、メンタルヘルス不調が起きないように企業がメンタルヘルス対策をすることも必要です。